Workshop「Earth Combinatoria Project」
11/08/2023-12/08/2023 @ FabCafe Tokyo (Dogenzaka,Shibuya,Tokyo)
https://earth-combinatoria.peatix.com/
https://loftwork.com/jp/event/20230812_earth-combinatoria
◇以下のワークショップを開催しました。皆さんご参加ありがとうございました。◇
結合合宿「Earth Combinatoria Project」
日時:8月11日金曜日, 8月12日土曜日 (両日共13:00-18:00)
場所:FabCafe Tokyo(渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア 1F )
形式:オフラインレクチャー&ハンズオン、任意懇親会あり
体制:主催 接木メディアPJ『Earth Combinatoria』 共催 株式会社ロフトワーク
協力 FabCafe Tokyo
異種間結合テクノロジー「接木」のメディア的可能性を探る
結合合宿とは、幹を断ち、枝を接ぎ、二つの異なる植物が一つの生命体へと向かう切断と調停のダイナミズムに触発される真夏の二日間です。私たち動物の常識が通用しない、植物の超生命体的ふるまいを垣間見つつ、紀元前から二千年以上も利用されてきた植物の異種間結合術である “接木”を専門家とともに体感します。メタファーとしての接木の観念的強化を試みる、農芸と美学のワークショップです。
「接木」からはじまる、農芸と美学のワークショップ
植物科学、そして園芸技術の進歩は、食糧やエネルギー、環境のみならず経済や思想、表現まで、人間社会に大きな影響を与えてきました。その中でも特に「接木」は紀元前から二千年以上も利用されており、りんごやレモンのような果物がいつでも食卓に並ぶという今日のあたりまえを支える上で欠かせない農芸技術です。加えて、接木とはいわば植物の異種間結合術ともいえるテクノロジーであり、どこか畏敬の念すら感じさせる、不思議な魅力を備えています。また、接木研究は近年著しく発展し、Science誌の掲載されたある論文[1]は、これまでの接木の常識を塗り替えました。その発展たるやほぼあらゆる植物種を組み合わせて一つの生命体として成立させられるのではないか、という可能性すら垣間見せます。
今回は「結合合宿」と題して、「接木」のメディアとしての可能性をより強度の高い観念へと高めることを目指す実践的なワークショップを開催します。プログラムは、専門家によるレクチャーと、オリジナル接木レシピ(植物結合アイデア)の考案、接木のハンズオン、そして接木体験を着想元とするエッセイ執筆からなります。接木の知識や経験は必要ありません。今日的課題を取り扱い、同時代のメディアを活用し表現する方であれば、どなたでも歓迎です。
[1] Michitaka Notaguchi et al. ,Cell-cell adhesion in plant grafting is facilitated by β-1,4-glucanases.Science369,698-702(2020).DOI:10.1126/science.abc3710
「Earth Combinatoria Project」について
私たちが主催する「Earth Combinatoria Project」は、あらゆる植物種の順列組み合わせを実現し成立させるという”接木”の可能性を、農芸科学技術のみならず、メタファーやアート、表現手段としても拡張する活動です。Earth Combinatoriaという題は ”Ars Combinatoria”(結合術) をもじったものであり、記号の順列組み合わせによりあらゆる知へと到達を試みる結合術のように、植物の無数の組み合わせを通じて可能世界としての「地球」を接木を通じて探求する、というコンセプトを表現したものです。
私たちは、接木の表現媒体としての可能性、つまり接木のメディアとしての可能性を探求すべく、リサーチや制作を実施してきました。特にリサーチでは最前線の接木研究に接しながら、その成果を作品に還元する試みを続けています。
今回の「結合合宿」の狙いは、接木の実践とその多様な側面(農芸技術として、先端科学として、メタファー・表現手段として)を一種の「結合術(=異なるアイディアをつなげるワザ)」として用いてその多義性を発見することです。さらに、合宿のプロセスを冊子化して言語化・公表していきます。かくして、メディアとしての「接木」の文脈が踏み固められ、その上にさらに豊穣な美学が育まれていくことを期待します。
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